わたしの一言

2020年05月11日

一生の宝物ことば 「後見癖(あとみぐせ)」

中学の時、月に何回か学年朝会がありました。1学年300名以上在籍する大きな中学校です。

その日は3年の春の遠足が終わって、すぐ後の朝会だったと思います。女性の先生が、ハッキリとした口調で話し始めました。

 

「皆さん、この前は遠足がありましたね。そこで、非常にガッカリとしたことがあります。皆さんの後にトイレに入ったら、とても汚かったのです。入るのに抵抗がありました。嫌な気分になりました。皆さんは、トイレを使って出る時に振り返ったことはありますか?

トイレだけじゃなくて、自分がその場所を去る時には、振り返って、汚していないか、必ず確認してください。振り返り、きれいにしてから出る癖をつけてください。『後見癖(あとみぐせ)』と言います。

これは、とても大切なことです。外見の美しさではなく、内面の美しさが本当の人の美しさなのです。」この話を聞いた時、心が揺り動かされました。

 

使ったら使いっぱなしで振り返ったことなどなく、親から言われても気にも留めませんでした。誰かがやってくれるだろう…という、甘い意識が常にあったと思います。そんな自分を恥ずかしく思いました。それからこの『後見癖』を、とことん意識して生活しました。

 

あれから40年ほど経っていますが、私にとって一生色あせない「大切な宝物」

になっています。長い学生生活で一番勉強になった言葉でした。 (H・O)